村田 稔樹さん@訳してねっと

今日は普段関西にいえる沖電気の村田さんが,東京出張のついでに寄ってくれた.彼は「訳してねっと」の開発者.

http://www.yakushite.info/index.ja.html

「訳してねっと」は,個人あるいはコミュニティが,翻訳対象ごとに専用辞書を作成することで,ありがちな「この分野では,こういう翻訳はしないだろっ!」(例,Ant->蟻(苦笑))的な訳し分けの問題に対処できる,そして作成された複数の辞書の継承ができるなどの特徴を持つ,他に類のないコミュニティが育てていく機械翻訳システムなのだ.

機械翻訳の結果で一番目立つのは,この訳語の選択ミス…つまり文法解析がうまくできない文章というのは一部でも,訳語の選択ミスというのは文章全体にばらまかれてしまうからだ…だから,これが解決できるだけでも,かなり違和感が減るはずというのは,直感的に想像がつくだろう.しかも,辞書の継承ができるんだから,オブジェクト指向的に,ごく一部を再定義・追加するだけで,自分の好みの翻訳結果にできるはずだ….

…といいながらも,一番重要な課題は,実際にそのようなコミュニティを多数形成できるかどうかということと,登録辞書の品質をある程度の水準に保つことで,できなければ普通の機械翻訳システムと何も変わらないし,正直な話まだ達成できているとは言い難い.まあ処理速度向上や,使い勝手などの点で改良の余地を多く残しているので,昨年9月にひっそりと公開していただけだったのだが.

私は「訳してねっと」には構想段階から協力しているのだが,公開後もシステムの改良を続け,さらにハードウェアを全面的にリプレースできる目処がたったために,今年度は本格的な普及活動をしたいということで,相談に来てくれたのであった.

話した内容は技術的な要求から運営方法まで多岐にわたるが,そのうち沖電気から正式にいろいろアナウンスされると思う.興味を持った人は,下のURLにアクセスして欲しい.

http://www.yakushite.net/

P.S.
業務連絡 - ここを見ていると思われる福居くん.社内でRollerを使っているのはすでにばれているので,日本語記事に対するトラックバックをまともにするパッチを作っていたら,ぜひSunにフィードバックしてあげて欲しい(それとも報告済みか?).kyukaとかが,苦労しているので.