技術革新が有料なサービスを台無しにする
CNET Japanの「サービスを「科学」できるか--IBM研究所で討論会開催」という記事.
http://japan.cnet.com/news/ent/story/0,2000047623,20075969,00.htm
ここでは,社内サービスのセルフサービス化が社員の時間を奪う例が挙げられているが,これはデスクトップパブリッシングが登場した時にも同じように言われていた.また,よくあるのは,どんなメールでもMSオフィスで書いて添付してくることだ.これが情報の可読性を悪くして,さらにセキュリティの危険を招いていることを気が付いている企業は少ないかもしれない.他にも,一見凄そうに見えるけど,あまりにも重すぎて・複雑すぎて,実際には使われない技術も多い.この問題は,確かによく陥りがちな罠なのだ.
結局,どんな技術でも諸刃の剣であり,毒にもなれば薬にもなることを自覚しなくてはいけない.さらに,技術を創り出す時に重要なのは,その技術により人間の行動がどのように変化するのかを考えることなのだ.この視点があれば,一見凄いように見えても,実際には役に立たない技術を作ってしまう危険性が大幅に減少する.
IBMが,「企業として」,このような視点に到達しつつあるのは,さすがと言わざるをえないだろう.