Search Engine Strategies 2005一日目

今日は,Search Engine Strategies 2005の一日目.これは,北米では結構有名なイベントなのだが,昨年から日本でもおこなわれている.今年は,舞台を新宿からお台場の東京ファッションタウンに移して,規模も拡大したようだ.

なお,北米でイベントを行う場合には検索サービスを提供する企業が主なのだが,日本の場合には,どうもSEO(Search Engine Optimization)企業が多い.これは,残念ながら,日本で検索サービスを独自に提供している企業が皆無に近いこともあるのだろうが,このバブリーなSEO景気がいつまで持つのだろうか?来年は中国でもやるらしい.

なお,スポンサー構成から,当然スポンサーがらみのSEOの話が多くなるが,各サーチエンジンアルゴリズムは基本的に非公開なので,どうしてもこの種の話は眉唾ものが多くなり期待できない.しかし,私がこのイベントに期待するのは,サービス提供会社からのなんらかの技術的話がないかという淡い期待と,普段(私のような貧乏研究者には)見ることができない利用分析の話が結構あることなのだ.

ということで,あまり学会関係者とは会わない.会ったのは,やはり豊田さんくらいだった.

  • ライフエンジンとマイメディア(Yahoo! Japan)…一般のサービス利用とYahoo! Japanのサービス利用の比較図は興味深かった.一般ユーザの要求とYahoo! Japanの利用が一致するのはWeb検索.他に,一般の人が要求するが提供されていないものが銀行,Yahoo!独自のものとしてウェディングやオークションなど.他に,ユーザのクエリ分析についての発表があったが,基本的にx軸にクエリの数に伴う順位,y軸に数をプロットしてグラフを書くと,べき分布になるという常識的なもの.ただし,これは検索語単位であること,あとたぶん一日単位の分析だろうと推測すると,説明はちょっと怪しい.特に注目すべきは,アカウント登録者の利用が1340万ID/月であること.これはやはり大きく,Yahoo!としてはパーソナル検索の方向に行きたいらしい.
  • Google最新プロダクトの紹介(Google)…Googleはやはり固く,喋って欲しいことは喋らない.まあ,これは最初からわかっていたこと.特筆すべきは,Google Search Applianceの日本への導入の紹介(扱いは三井物産だが,なんとNTTコミュニケーションズも扱うらしい…同じグループのgooに見切りをつけたか?)と,Google Desktop Search日本語版の画面が見れたこと(追記,すでにリリースされていたから,珍しくも何ともないですね.すみません).あと,SEO企業のスポンサーが多いが,どう思うのか?という質問に対する回答が,なかなか苦しくて面白かった.

SEOコンサルティング

偶然座った席の前の人に,SEOコンサルタントが一生懸命に売り込みをかけていた.私は素知らぬふりでノートPCを使いながらも,もう耳ダンボで喜んで聞いていた.

ふーん,普段は100万/月なのか.それをこの期間はディスカウントしちゃうわけ?(安さを強調するために,先ほどの金額は高めの可能性あり)なあーんだ,結局その程度しかやらないんだ.

…本当に勉強になりました(苦笑)

Yahoo! Japan好調!

今ニュースを見たら,Yahoo! Japanは業績が好調で,最高の利益を挙げているそうだ.

それでか,このイベントではなんと2,000名にバッグ(しかもポーチなどを含めて四個!)と腕時計(スウォッチ特注物!)をプレゼントしてくれるのだ.うーん,バブリー.

なお,帰ろうとした時に,トートバッグは持ち手の長さが調節できて肩にかけられるようになるのを発見,結構使いやすいかも.安っぽい匂いは早くとばして,まじめに使ってみようと思う.

なお,腕時計は,桜子(姉の子供,四歳)にあげる予定,

Googleサマーインターンシップ

私は大学院生でもあるのだが,Googleからのお誘いがMLで流れた.このイベントに連携させているのだろう.アナウンス文を見たところ特に年齢制限がないし,私が行ってもいいのかな?(笑←行っていいわけないだろうっ!)

なお,豊田さんとも話したが,今企業でWeb関係の研究開発をしたいのなら,もうMicrosoftYahoo!Googleの三社しかないのではないかと思う.日本企業は,Web情報処理の根幹となる検索エンジンの独自開発はあきらめてしまったので,完全に後手に回ってしまった.大学で研究するならともかく,実際の世の中に提供するような革新的なサービスの創造は,今の状況のままでは難しそうだ.

意欲ある学生は,ぜひこれにチャレンジすべきだ.

某編集者

Googleの話を聞いたあとに,ちょっとSEOの話でも聞いてみようかなと思ったら,以前に私の翻訳本を担当してくれたO社の某美人(?)編集者に捕まって,結局夕方まで歓談.

私は,仕事がら,この会社の"Google Hacks", "Amazon Hacks", "Blog Hacks", "Spidering Hacks"は熟読するようにしている.

"Blog Hacks"は,日本人が書いたとは思えないくらいの,非常によい出来の本だと思う.

あと,"Spidering Hacks"には,日本語処理の詳しい話が加筆されていたりしていいのだが,翻訳者の書いた日本向けハックが紛れ込んでいて,ちょっと不思議に思っていた.彼女に聞くと,どうも日本の同等のサービスがある場合には,それに書き直したり,掲載許可が下りないサービス(苦笑)は書き直していたりしたらしい.その努力には,本当に頭が下がる(ちなみに,Amazon Hacksは日本語訳でもamacon.comが対象).

Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選

Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選

ところで,「早く会社を辞めてください.ただし,東京近郊の大学じゃないとダメです」と言われたのには参った.今東京近郊の大学の公募の競争率は高すぎて,私じゃとても無理だって言うのに(泣)