家展

私は,年老いた両親が,カリフォルニアにいる孫といつでも会えるようにiBookiSightを買って,いつでもiChatが使えるようにした.最初のころは,おっかなびっくり使っていたのだが,最近はできる限り付けっぱなしにしておくようにしたらしい.

そうしたら,次第にコミュニケーションの仕方が変わってきた.たとえば,孫がカメラの前で「おばあちゃーん」と叫ぶ.そうしたら,おばあちゃんがそれを聞きつけて,カメラの前にやってくる.それから,孫が一心不乱にてるてる坊主を作っているのを,おばあちゃんが優しく見守って,時々あいずちを打ったりする.

また,私のところに今朝電話を掛けてきたのだが,それはiChatのアイコンがアクティブになっていないので,風邪がひどくなって困っていないか心配したらしい.

実は,この技術は,核家族化した日本を,再び大家族化する可能性があるのではないか,つまり技術によって人間のあり方が変わっていくのではないかと思う.

安村先生の家展を見て,このように技術が生活を豊かにすることを目指しているのかな…とふと思った.重要なのは,目標がよりはっきり見えれば,技術はさらにそれに適した形に再構成できるということだ.「優しい技術」は,このような繰り返しで生まれてくるのかもしれない.