ヒューマンインタフェース研究のための心理学実験・調査の基礎

ヒューマンインタフェースシンポジウム2004で好評だったヒューマンインタフェース学会のセミナーの再講演.昨今の高度化するアプリケーションの評価法の参考にしたかったのだが,会社の事務手続きが長引きすぎて許可が出た時にはすでに定員に達していたが,幸運にもキャンセルがあった.内容は非常によくて,今までの評価を反省させられることも多かった.


なお,心理学調査のところで,思惑通りの結果を出す悪いアンケートの例として,日本小児科医会のテレビゲーム反対調査や関西電力原発賛成調査などの実例が出てきたのには参った(苦笑…まさに高木さん的実学だ)あと,なぜか最後に盛り上がったのが,調査の謝金.心理学の論文には「キャンディを与えた」とかまで書くとか,500円の図書券だと大学ではインフレを招くとか,あげくのはてには,謝金を払った方が信頼度が上がるという論文があるとか,それは都市伝説とか(笑)結構,みんな判断に困っているらしい.


最後に,日本人特有の話としては,調査の時に「どちらでもない」を選択する傾向が強く,それを意識して調査を設計する必要があるらしい.公の場で自分の意見を言おうとしない日本人にはありがちな話だ.